コラム
2015.10.19
アマゾンにおける1円出品の構造について
アマゾンで出品されている商品の中には、1円出品と言われているものがあります。商品の価格が1円という事で殆ど投げ売りのようなものですが、これにもしっかりとした理由があるのです。
アマゾンに於いては、商品を購入する場合、書籍であれば250円、CDなどであれば340円の配送料がかかります。すなわち、1円出品の書籍を購入したとした場合には、合計で251円の支払いが発生します。但し、実際には配送料が全て配送にかかる費用という事ではなく、この中にアマゾンに対する手数料が含まれています。
その手数料の内訳はカテゴリー手数料と言われる、例えば書籍であれば60円、CD等であれば140円と規定されています。また、基本手数料と言われる手数料が商品に関わらず1成約ごとに100円かかります。さらに販売手数料として商品価格の15%が掛かり、その合計がアマゾン側に支払う手数料となるのです。
その為、例えば1円で書籍を販売した場合にはカテゴリー手数料60円、基本手数料が100円、販売手数料は0円となるため、合計160円の手数料がアマゾンに支払う手数料となり、250円の配送料から差し引き190円が出品者の利益になるのです。
1円出品でも190円も利益があるのか、という話ですが、実際には購入者に出品者から配送する必要があり、実際の配送は出品者負担になるので、その配送料を差し引いた金額が出品者の利益になるという仕組みです。
従って、大口の古本店や在庫をたくさん抱える店舗などにとっては、アマゾンに1円出品を行っても、大口の配送でその料金を節約することで十分利益が取れるという仕組みになっているのです。
また、大口出品者の場合には月額4900円の出費で基本成約料が無料になるという制度があり、大量に出品する出品者はこの制度を利用した方がアマゾンに対する合計の出費が安くなるという仕組みも有ることから、ますます1円出品による利益が上がるという形になります。また、Amazon上で表記されている価格は1円になるので購入者に対して安いという印象を与えること、配送料は当然かかるという認識も浸透しているため比較的販売しやすいという構造になります。もちろん、ネット上で欲しい本が安く買えるという点では、購入者にとっても決して不利益になる様な事はありません。
アマゾンではこのような仕組みで購入者が購入しやすく、且つ出品者が損をしないような構造で販売が出来る仕組みも用意されているのです。